ハプニング職人のハプニング日記

Kyo Paxi
kyoblog
Published in
4 min readSep 13, 2015

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ハプニング職人と呼ばれて初めて、自分がトラブルをトラブルと思わないことに気づいた。僕はこれまで約20年間で50ヶ国を旅してトラブルはほとんどないと思っていたけど、あぁそれもトラブルなのねというのを含めると結構いろいろなハプニングはあったかもしれない。

メドックマラソンでフランスに滞在している間のハプニングをまとめてみよう。

1.中国国際航空(成田⇒北京)が欠航。台風の影響を心配はしていたが、台風とは関係のない欠航とか。ほかの便は飛びまくっていた。→全日空の直行便に振替

2.パリで予約した宿に行ったら、プライベートアパートを貸し出していると判明。着いたら電話する仕組みになっていますと当日メールが来てたが、電話番号が書いてなかった!→とりあえずビール飲んでたら友人・青木くんの持っていた情報によりパリで広くて綺麗なドミに辿り着いた。今後は常宿。24ユーロ。パリで青木くんと合流する予定は日本を出る直前までなかった。欠航が呼んだ偶然。彼に会ってなかったら朝まで飲んでいたかもしれない(それもよしだが笑)
3.Facebookの投稿を見て、先月のパクチーの日に知り合った方がコメントをくれた。ランチしませんかと誘うと、予約必至のレストランに行く予定があるとのことだったので、合流することに。そしたら僕の分も予約してくれた→が、こちらが青木くんと行動することを言ってなかったので、約束の1時間前に気づいてその旨を伝えると、予約が一杯で人数が増やせないとのことだった。→とはいえ、とりあえず向かう。Google Mapに店名を入れて「着いたよ」と伝えると、見えませんとの返事。Google Mapの情報が間違っており、実は1.5kmぐらい離れていた。2人でダッシュして正しい店の場所まで向かう。→約束の時間を20分遅れて合流。まだ入らずにいてくれた。2人しか入れないというので、青木くんゴメン後でビールおごるから云々と話して合流方法を相談しているうちに、店のお姉さんが予約のお客さんで来ない人いるから大丈夫と言ってくれ、3人で入れることに!店のクオリティも高かったし、雰囲気もよく、造りも斬新。場所を間違え遅れたことで最高の結果に。
4.日本人シェフの経営するミシュラン★のレストラン「Sola」に行ったら、二つ隣に日本在住の知人が座っていたことが判明。→ちなみに「Sola」に行くことになったのはサハラマラソン報告会in武雄で、ここのシェフの義父と知り合ったため→サハラに行くことは何もない極地に行くことではなく、さらに世界とつながる可能性をつかむことだったんだな。
5.パリでのFacebook投稿に、テヘラン在住の友人が反応。彼女もパリにいると…。
6.その彼女とは会う時間はなさそうなのでボルドー行くんだよと伝えると、友達のレストランによって欲しいと。行ってみたらそこのオーナーは二年前にインドのデリーで会った方だった! 全く予想していなかったので驚いた。結局、パクチー・ランニング・クラブのメドックマラソン前夜祭で利用させてもらった。→翌日、ご夫妻で応援に来てくれた。
7.母、メドックマラソン完走。2年前見学に来た時に待ってても暇だし寒いから歩いてみればと提案。それからいろいろあり、こんなことに…。素晴らしい。
8.シャルルドゴール空港直行のTGVが予約できず→パリで1時間ぐらい時間作れそうだったのでプランを練っていると上述のテヘラン在住の彼女から連絡が→イギリス留学時代の友人たちと再会することに。イスラエル出身の女性の結婚式で来ていたそうで、メドックマラソン完走ワインでお祝いすることもできた!
結構タイトなスケジュールで移動していると思われがちだが、実はかなり柔軟だということが分かると思う。予定が変わってもその瞬間に対策を講じれば、旅のトラブルは旅ならではの思い出深いハプニングに変わっていく。うじうじ悩んだり、嘆いたり、怒ったりするとトラブルはトラブルとして固着すると思う。

インターネット時代の昨今、ネタは発信すれば瞬時に世界に伝わるし、ハプニングの要素はスマホ経由でガンガン飛び込んでくる。予定と異なる行動をするのが難しければ、そもそも予定を立てなければよい。予定調和で終わることは、旅をすればするほどないことが分かる。旅先で選び取る行動の一つひとつが、最終的な旅のかたちを決めるのだ。

ハプニング職人 佐谷恭

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パクチーに狂う旅人。株式会社「旅と平和」代表取締役、サハラマラソン2015完走、北極マラソン2018アジアチャンピオン。著書に『ぱくぱく!パクチー』『みんなで作るパクチー料理』『「ありえない」をブームにするつながりの仕事術』など。鋸南エアルポルトから房総半島と日本全国を元気にします。